聖パウロの足跡を訪ねて 第6日 コンヤより

カッパドキア地方ネブシェヒールを朝八時出発。まずは絨毯やさんに入る。ただのお買い物と言うより、世界的に有名なトルコの絨毯作りを見学し、様々な作品を見て気に行ったものがあれば買うためである。興味のある方は買い求められ、その他の方々には目の保養になった。


その後カイマクリ地下都市へ。キリスト教徒の逃れ場として造られた、かつては地下8階まであった都市である。現在地下4階まで見学できる。
カイマクリからコンヤ方面に荒地を眺めながら、約270キロ走る。途中シルクロードの隊商が泊まった宿の跡が数箇所。大きな羊の群れを遠くに眺めながら、ほとんど砂漠のような景色の中をバスは走っていく。遠く標高3900mの、山頂付近に雪を頂くエルジアス山が見えた。


アクサテイ(白い宮殿の意)で昼食をとる。白いピラフのようなご飯とケバブ、フレンチフライでとてもおいしかった。デザートも四種類の中から選ぶのだが、ほとんどの方が2種類食べた。
再び荒地を両側に見ながら、バスはひたすら走る。


何の遺跡もない、石がごろごろとした丘、これがパウロ時代のリストラの町である。当時に思いをはせながら、その丘の麓に立ち、使徒行伝に耳を傾ける。御言葉を受け入れた人がいたので、石を投げられ半殺しになっても、パウロは福音を宣教するために口を閉じることはなかったし、キリストに魅せられた人の真の姿を私達に見せてくれる。この場で聞く御言葉には迫力がある。


そして今日のごミサはとても、とても感動的であった。コンヤの聖パウロ教会には司祭がいらっしゃらない。二人のシスター(イタリア人)が教会を守っている。ごミサには巡礼団が来るときにのみ捧げられるとのことだ。使徒は25名程で、今日のごミサには12〜3名が与っていらした。昨年アフガニスタンから亡命した一家5人、バグダットより逃れてきた2人の御婦人、5000kmを6〜7ヶ月かかって巡礼しているスペイン人とスイス人のカップル、2人のイタリア人シスター、そしてインド人の司祭を団長とする、12名の日本人巡礼とそのガイドのトルコ人だ。カトリック教会の普遍性の実体験であり、参列者は皆、言葉が通じなくても心はつながっていた。皆の顔には、信頼と喜びの笑みがあふれていた。こんなに奇跡のようなすばらしい体験を、神様本当にありがとうございます。