山下神父様と行く「ロシア巡礼」第5日

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早朝4時半起きでサンクト・ペテルブルクの空港・プルコボ8時発の国内線で、モスクワ空港に到着しました。

車窓からは、モスクワ名物の渋滞の光景が見られます。




朝四時半起床で、サンクト・ペテルブルクを8時の国内線に乗り、モスクワにやって来ました。
御ミサは「無原罪の御宿りのカテドラル」で捧げられました。

「今日の福音でイエスさまは、最も重要な掟として、神さまを全身全霊をもって愛すること、隣人を自分のように愛することの二つを教えておられます。マタイ、マルコ、ルカの共観福音書では、旧約聖書全体は、この“神を愛すること”と“人を愛すること”が最も重要な掟としてまとめ上げられていますが、これは、それぞれ、神を全身全霊を持って愛することが申命記6章、隣人を自分のように愛することがレビ記19章で述べられています。その意味では完全に新しい教えではなかったのですが、むしろこの二つを“一つの分かたれないもの”としてまとめたところにイエスさまの教えの新しさがあります。この表裏一体の教えを覚えるためには、十字架の形を思い起こせば十分です。十字架の縦棒が神さまと私たちのつながりです。神さまから愛を受け、そして、私たちはその愛に応えます。神さまからのいつくしみ、やさしさ、ゆるしなど、すべては神さまの愛と恵みして私たちに降ってきます。私たちはそれを受けて神さまを愛します。それは神さまに向かう祈りであり、賛美であり、また願いです。この縦のつながりはとても大事ですが、これだけでは十字架は完成しません。十字架には横の棒が必要です。これが人間の同士の隣人愛です。縦横二つの棒があって初めて十字架が完成するのです。使徒ヨハネは言っています。「『神を愛している』と言いながら兄弟を憎む者がいれば、それは偽り者です。目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です(Iヨハネの手紙4:20-21)」。そのとおりです。神さまを愛することと隣人を愛することは一つのセットなのです。よく考えてみてください。一生懸命祈り、教会で神に向かう信心を強く証しして生きる人が、兄弟に冷たい態度で接し、人を裁き、不平不満と悪口ばかりを言って生きるならそんな矛盾はあり得ません。躓きです。だから神を愛する人は隣人を自分のように愛する人でなければならないのです。

もう一つ、“流れ”についても注意しましょう。十字架の縦のラインでは、まず、神が注いでくださる恵みと愛があります。それを豊かに受ける私たちは祈り、賛美、感謝、願いをもって神へ向かう愛として返します。この縦のラインには一方通行ではない、相互に行きかうダイナミズムがあります。横のラインも同じです。私たちは愛し、愛されて生きる者です。愛し合う、というのは、一方的に誰かに愛を送り続けることではなく、一方的に愛され続けることでもありません。人から、愛され、ゆるされ、支えられて、つまり、人から多くを受けて生きることであると同時に、自分もその与えられたものを感謝して受け止め、それに同じものをもって応えていくこと。つまり、左右どちらにも行きかうダイナミズムというか、流れがあるのです。縦のラインにも横のラインにも、どちらか一方から注がれるのではなく、相互に流れているダイナミズムがあります。これこそ、「全身全霊を持って神を愛することと、隣人を自分のように愛すること」を一つにまとめ、愛の掟と示されたイエスさまの教えにおいて大事なことです。それは同時に、私たちの実生活においてもとても大事なことというか、真理だと思います。

人が本当に幸せになるのは、この十字架のラインを、上下左右、双方に行きかう愛のダイナミズムをもって生きたときです。聖母マリアが、そのダイナミズムの実践のために取り次いでくださいますように、このミサの中でともに祈りましょう。」









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モスクワの動物園を車窓から見ながら、昼食のレストランへ。

朝のボックス・ブレックファーストから1時過ぎまで、お腹が空いて、今日も美味しかったですよ。




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午後は、「トレチャコフ美術館」です。ロシアファインアートのコレクションで有名な美術館です。

1851年、モスクワの商人で工場主であったトレチャコフ兄弟が自邸に開いた美術ギャラリーから始まりました。



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イワノフの「メシア出現」、PUKIREVの「不釣り合いな結婚」など。珍しい絵に出会うことができました。



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ロシア正教の信仰の世界と、カトリックとの共通点に触れ、絵を通して理解し合うひとときだったでしょうか。


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「またお食事」との声もチラホラ。でも、良く飲んで、良く食べる大変健康な皆様です。