聖パウロの足跡を訪ねて 第8日 イズミールより(スミルナ)


パムッカレは、ローマ時代にはヒエテポリス(聖なる町)と呼ばれ、現在では、数千年にあたり流れでている鉱泉が「綿の城」を作り出し、ユネスコの世界遺産にも登録されている。36度という生ぬるい温水から、パウロは「熱くもなく、冷たくもないので吐き出す」ということを書いたのではないだろうか。皆様はだしになって、この温水の坂を歩いてみた。


パムッカレからエフェゾまで、約180km。エフェゾからイズミールまでが約90キロで、昨日よりも行程は短い。「聖ヨハネの黙示録」にあるテオデキアの教会の跡を、車窓から眺めながら、エフェゾに向かう。車中、今日のごミサ用聖歌の練習やら、パウロの第三伝道旅行の朗読など、結構忙しい。また、家族の団欒のような暖かい会話があちこちから聞こえてくる。同じ心を持つ人々が、8日間もともに生活すると、このような愛の共同体ができるのだ。


昼食はエフェゾのレストランで。昼食後、聖ヨハネ教会へ行く。あの主、キリストに愛された弟子ヨハネが、ここエフェゾに、聖母とともに生活されたこと、そしてここで聖ヨハネは手紙を書いたということを考えながら、Kさんは涙が流れたと、その感動を分けてくださった。
エフェゾの遺跡では、3000年も前から、様々な民族により、都市国家から現在のエフェゾの遺跡にいたるまで、その長い歴史と変遷を考え感動したと、Tさん。様々な個人的問題が、この歴史的な遺跡を見ているうちに、消えてしまったという方もいらした。


皇帝アウグストスの時代にアゴラからバシリカに改築された教会堂、ハドリアヌスの神殿、セルスス図書館、公衆トイレなどを見て回った。まだ発掘されていない広大な地形を眺めながら、そのスケールの大きさに目をみはる。


次は「聖母マリアの家」だ。今日のごミサはここで捧げられる。19世紀に啓示を受けたドイツのシスターカトリーヌ・エメリッヒの記録により、この場所がつきとめられた。シスターカトリーヌは、一度もここを訪れたことがない。ごミサはカプチンフランシスコ会の修道院で、暖かく、ストーブをたいていただきながら捧げられた。ごミサの前後に少し雨に降られたが、終日神様に守っていただき、疲れ気味の方々も元気を取り戻していらっしゃる。


昨日は雨のため、屋外ミサができなかったので、今日のごミサはYちゃんのお誕生祝いのため、またYちゃんの御家族のために神父様が捧げてくださった。2日続きのお誕生プレゼント。天使のようなYちゃんは「アリガトウ、アリガトウ!!」と、繰り返していた。